2002/3/18
 
春らしく、暖かい一日。だが、我が家の子供たちは
鼻水が止まっている子供がいない。
多少の鼻水は気にしないようになってしまった。
 
しかし、次男(
たつ)の咳と鼻水がひどく、
今日は何年もお世話になっている
かみで耳鼻咽喉科を受診。
兄弟妹3人そろっての受診。
 
いつものように鼻を吸引してもらい、
お薬をもらうつもりだったのだが、
先生から変な話をされる。
 
「手術だ」・・・・・「はあ??」
病名もはっきり聞こえなくて、覚えられなかったが
とにかく中央病院の紹介状を書いてもらい
CTを撮るとのこと。
 
更に追い討ちを掛けるように
「東京に行かないと手術が出来ない」
またまた「はあ??」いったい何の話やら…

2002/3/19

 時間があるときに…と言われたが、親としては気になるので
さっそく、朝から中央病院に行く。9時半前に受付をするが
診察が始まったのは12時半。
3時間の待ち時間は3歳の子供にはきつい。

病院の床で寝転がったり、騒ぎまくったりと手におえない。
やっと始まった診察は10分くらいで終了。


でかい耳垢を3つくらい取り、真珠腫の疑いがあると言われる。
聞いたこともない名前なので、「しんじゅしゅですか?」と聞きなおす。
CTを撮って、きちんと調べないと分かりませんが…と言われたので、
「じゃあもしかしたら違うかもしれないんですね」と聞きなおすと、
「いや、可能性は高いです」と言われる。
結局CTを撮るのは明日…ということに。

 その時点では、真珠腫というものがどんな病気なのか
さっぱり分からなかったので、家に帰ってから
「家庭の医学大辞典」とか、インターネットでいろいろ調べてみる。
・・・・・・・・・・・・・・・・悪いことばかりが目に付いてしまう物だ。
 
再発の可能性あり。手術が第一先決。骨を破壊する力を持っている。
手術??入院??我が家には無関係のことと思えた。
2002/3/20

 朝、CTを撮るために中央病院へ行く。
昨日看護婦さんからこう言われた。

「今日の夜は夜更かしさせて、朝は早起きさせて
寝不足の状態で連れて来て下さい。
こちらでお薬を飲んで眠ってからCTを撮ります」
 
おかげで昨夜は、パパが帰宅後一緒にお風呂に入り、
いつもより3時間くらい遅く、布団に入った。
 
9時半頃病院に着くと、薬を飲んで寝かせてくださいと
言われ、静かなほうに連れて行って、
抱っこしたりおんぶしたり、病院のいすで
ごろごろさせたり、いろいろやったが・・・・・・
寝ない!!!!

看護婦さんが待ちきれずに、座薬を入れようとした頃、
ようやく熟睡モードに入る。
 「たつ君です!ようやく寝たからよろしく!」
はは・・・すいません、手がかかって…
 
TVでしか見たことのなかったCTだが、
我が子が入るとなると複雑な心境だ。
別に殺されるわけでもないんだけどね。
 
終わりましたよ。といって中に入ると
耳にガーゼをつけて、足をかえるのように開いて
熟睡しているたつがいた。

ようやく終わって、病院の外にある池の鯉を眺める
2002/3/21

祝日に、東京から姪っ子たちが遊びにきた。

みんなでじいじのお墓参りに行く。
じいじ(私の父)は私が19歳の時に病気で他界。

パパの実家は九州だから、
身近にじいじの存在が無い子供達。
こんな時だけ、じいじ頼み。

「どうか、たつの病気がそれほど悪くありませんように。
じいじ、見守っててね」

こういうことをすると、母に必ずこう言われる。

「こんな時ばっかり、お父さんに頼るじゃない。
ばちがあたるよ!」
2002/3/25
 
運命の結果発表の日(?)・・・と思っていた。

10時の予約で、10時40分頃名前を呼ばれ、
診察室へ。ドキドキ・・・・

CTの写真を見せられながら、右耳と左耳が明らかに
違うのが、私にも良くわかる。でも、先生は

「やはりその(真珠腫)可能性が高いですね」

と言うだけ。そして、今度は聴力検査だと。
「・・…で、予約を」(その間2分)
うーん・・・・ま、仕方ないか。先生いわく、
緊急に手術ということは多分ないと思います…とのこと。
 
安心していいものか?


いや、骨を溶かすんでしょ?
脳に入ってしまったら??


そんなことはないの??いろいろ聞きたいのだが、
聞けない私。ああ・…ダメ親だ。
結局29日に聴力検査をすることに。
 
普通大人の聴力検査は音が聞こえたらボタンを…
ってな感じだが、3歳児には無理らしく・・・
やっぱりまた眠らせて脳波をとって調べるらしい。
また寝不足の状態で連れて行きまた薬で眠らせる。
CTと一緒にとれなかったのか??ちょっと不満。

 
 昨夜、お風呂に入ろうとしたら、
おなかの湿疹が痛くて入りたくないと言う
たつ
早く病院に行けばよかったのだが、
腰のあたりに一本の線のように湿疹が…

もしかして帯状疱疹?こんな時だから
少しの異変がなんでも重大なことのように感じて、
家族中が「明日病院に行け!」・・・これだ。
 
でも、本人も痛いかゆいの連続でかわいそう。
耳の病院と皮膚科のはしご。
私は車を運転しっぱなしでかなり体力消耗。
幸い帯状疱疹ではなく、ただの湿疹(乾燥肌)が、
慢性化したものだった。
お薬をもらっておうちへ帰ろう!

・・・・・・・・そうは問屋が卸さない。

たつ
は車に乗ってるだけ。体力は有り余っているのだ。

公園へ連れて行け!

クタクタの夕方、私が子供の頃に遊んだ公園は
桜が8分咲。一時心が和む。

2002/3/26
 
鼻水のお薬がなくなったので、
かみで耳鼻咽喉科クリニックに行く。
「経過はどうですか?」と先生に聞かれて、
昨日中央病院で言われたことをそのまま話す。

「ダメ、それは俺が決める」

なんともはっきりしている・・・

「一週間前の写真と比べても、色も違うし、
大きさも違う。この時期の進行は早いから怖い。」


もう東京の病院にもデータを送ってあるし、
中央病院の若い医師には伝えておくから・・・・・・・
・・・・・・・・はい??

やっぱり手術か…でも、昨日からの
心のもやもやがすっと取れた気分だ。
かえってはっきり言われたほうが覚悟も決まる。
手術しなきゃダメなんだ。そう思ったら

「早く治してあげたい」

ただそう思えるようになった。
 
こんな小さい子供の耳、しかも脳の近くで
手術なんてできるのだろうか…そんな心配を
母にぶつけたら

「生まれてすぐの赤ちゃんが
心臓の手術することだってあるじゃない!
大丈夫だよ!」

この一言に救われた。

2002/3/28
 
子供たちの絵本&紙芝居を返しに図書館へ行き、
耳の本を探す。

「中耳炎−よくある質問Q&A」

とかいう本を手にとり、「真珠腫…真珠腫…」と
ぶつぶつ言いながら本をめくる。
 
ここで分かったこと。


真珠腫の原因はあまり確かな物はないらしいこと。
たつの真珠腫は、外耳から中耳に
侵入したものではなくて、先天性のものだということ。


たしか、かみで先生もそう言ってたっけ。

慢性中耳炎から真珠腫になったなら
3年も通ってたんだからおかしいよね。
2002/3/29
 
今日は聴力検査で脳波をとる。
また寝不足の状態で連れて行き、
今回は途中から個室の暗い部屋で
寝かせてくれて、案外すんなりと寝てくれた。
 
聴力の結果はやはり右耳と左耳と比べると、
左のほうが悪いらしい。
大学の教授と話し合ってみるって。
その結果は4月4日。
 
そういえば、昨日の図書館で読んだ本に


「先天性の真珠腫は進行が早いから
子供といえども手術が必要…」

と書いてあった。
 
あせってしまう気持ちは
お分かりいただけるであろうか…
母がしゃべってしまったことで、
親戚にも
たつのことが知られてしまった。

「東京に、高度耳鼻咽喉科専門の病院があるから、
一度そこで受診しておいで」

と強く勧められ、HPを見つけてよーく考えてみる。
 
結果、素人の私が出した答えは

「術後もかみで先生にお世話になりたいから、
やっぱり地元のかみで先生と連携している所の方が
いいのではないか・・・」

 
こんな答えしか浮かばなかった。